HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37945 Content-Type: text/html ETag: "addce-166a-f9b29d00" Expires: Thu, 09 Dec 2010 20:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 09 Dec 2010 20:21:45 GMT Connection: close 社会保障予算 いつまで迷走を繰り返すのか : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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社会保障予算 いつまで迷走を繰り返すのか(12月10日付・読売社説)

 2011年度予算の編成作業が大詰めを迎える中、社会保障関連予算の財源確保や制度改革の議論が難航している。

 自公政権当時の予算編成でも、社会保障分野は最後まで迷走した。少子高齢化の進行に伴う予算の自然増を、毎年2200億円削減するための方策に苦労したからだ。

 だが今は、それをはるかに上回る困難に直面している。見通しのつかない財源の規模は兆円単位に上る。事前に財源を詰めてこなかったツケと言えよう。

 社会保障に対する国民の不安感をこれ以上広げないためにも、11年度予算については、残り少ない埋蔵金などをかき集めて、何とか手当てするしかあるまい。

 来年以降は、今年のような迷走を繰り返してはならない。安定財源を確保するため、消費税率を引き上げる道筋を今からつけておく必要があろう。

 12月中旬になっても社会保障予算の大枠が固まらないのは、民主党政権の先送り体質に原因があるのは明らかだ。

 社会保障費の自然増に加え、基礎年金の国庫負担割合を50%に維持するためには、合計4兆円近い財源が必要なことは早くから分かっていた。

 にもかかわらず政府は、何の手も打たなかった。その上、子ども手当の拡大を図り、3歳未満に7000円上積みして、月2万円とすることを決めた。

 これには2400億円要る。ところがその財源をめぐっては、支給対象となる家庭への所得制限や配偶者控除の見直し、相続税の課税対象の拡大など、さまざまな案が浮上し、いまだに政府・与党内で賛否が分かれている。

 政府はまた、後期高齢者医療制度の“廃止”を急ぎ、新しい高齢者医療制度をあわただしく打ち出した。窓口負担の拡大や現役世代の負担増で帳尻を合わせようという内容だ。介護保険でも同じ方向の改革案が示された。

 いずれにも民主党内から強い反対意見が出て、紛糾している。

 一体、いつまで議論を続けているのか。政府・与党で誰が司令塔となっているのか分からないのが最大の問題だ。菅首相は今こそ、指導力を発揮し、党内の議論の一本化を急がねばならない。

 そもそも、予算の無駄を徹底して排除すれば子ども手当など福祉充実の予算は捻出できる、という民主党の政権公約(マニフェスト)には無理がありすぎた。公約の早急な撤回・見直しが必要だ。

2010年12月10日01時45分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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