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12月9日付 よみうり寸評

 〈駅に見て冬の太白地に低き〉――山口誓子の句。太白は金星の異称。日没後の西の空に見える時なら〈宵の明星〉、日の出前、東の空の暁なら〈明けの明星〉だ◆その金星の探査機「あかつき」が、金星を周回する軌道に入るのに失敗した。さる5月、種子島宇宙センターから打ち上げられ、約200日、5億2000万キロを飛んで接近したが残念無念◆エンジンの逆噴射から2分23秒後、姿勢が急に乱れて金星の軌道に乗ることができなくなった。先の「はやぶさ」の快挙に続く離れ業はならなかった◆が、「あかつき」は何と6年後に再挑戦するという。これから太陽の周りを周回するうちに、また6年後には金星と再接近する◆その機会を狙う。気の遠くなるような執念といおうか、不屈の探査魂といおうか。ここでまた「はやぶさ」の奇跡、7年の長旅を思う。険しい旅路になるだろう◆金星はギリシャ神話のアフロディテ、ローマ神話のビーナスだ。美の女神のベールの下をうかがい、探査することの難しさを知る。

2010年12月9日13時40分  読売新聞)
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