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12月8日付 よみうり寸評

 〈荒事(あらごと)〉――荒々しい行為のこと。歌舞伎で、扮装(ふんそう)や演技が象徴的に誇張された豪快な演出法、あるいはそういう脚本をいう◆江戸時代に初代市川団十郎(1660〜1704年)が創始、以来、市川家の家芸となり「荒事は市川家の名誉なり。華を(もっぱ)らとし陽気なるをよしとす」という◆舞台の荒事は華だが、ちまたの飲食店での荒事はいただけない。当代の人気役者市川海老蔵が東京・西麻布で先月24日深夜から翌25日早朝まで約7時間にもわたって、そのいただけない荒事の主役を演じてしまった◆十二代団十郎の長男でいずれは十三代を襲名する梨園(りえん)のプリンスの不祥事。主役が酩酊(めいてい)の末、殴られ逃げ回るでは様にならない◆きのうの記者会見で「自分のおごりが招いたこと」と神妙に頭を下げた。謝罪の上、あくまでも被害者を強調したが、酩酊の記憶として聞き捜査の結果を待とう◆伝統芸能の大きな名跡に泥を塗った不始末だ。身から出たさびと知るべし。お家芸、荒事の神髄を極める道は遠いと肝に銘ずべし。

2010年12月8日13時44分  読売新聞)
写真特集  海老蔵さん会見
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