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12月8日付 編集手帳

 東西冷戦のころ、ソ連政府が反米宣伝の映画を作った。米国のニュース映画から貧民街の風景を借用した。隣り合うアパートの窓と窓の間にロープが張り渡され、ボロの洗濯物が干してある。見よ、米国の貧しさを! ◆ジャーナリスト門田勲氏の随筆集『古い手帖(てちょう)』(朝日新聞社刊)によれば、この場面を見たソ連民衆の反応はソ連政府が夢想もしないものであったという。米国の連中は、こんなにたくさん下着を持っているのか! ◆旧ソ連の(てつ)を踏んではならじ、“目の毒”になるものは見せないに限る…というわけか◆韓国の映画やドラマを視聴したとして「教化所」に収監される北朝鮮住民が増えているという。韓国に在住する脱北者の団体が北朝鮮国内にいる「通信員」の情報として伝えたところでは、平安南道の教化所にはそうした理由で約1200人が収監された。服役期間は2〜5年、一般収監者よりも過酷な労働を強要されるとか。見られて困るのは、たくさんの下着か。豊富な食べ物か。屈託のない笑顔か◆目はただひたすら、独裁者とその後継ぎを仰ぎ見るためにある。(あわ)れというほかない。

2010年12月8日01時13分  読売新聞)
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