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12月7日付 編集手帳

 指揮棒を使うも素手で指揮するも自由だが、「指揮棒なしだと、右腕がうんと疲れる」。指揮者の岩城宏之さんが著書『指揮のおけいこ』(文芸春秋)に書いている◆手首を曲げるだけで、指揮棒の先が30センチは動く。素手で指先を同じだけ動かすのは重労働だ、と。首相というのも一種の指揮者であり、内政・外交のすべてを素手で指示していては身がもつまい。閣僚という指揮棒を上手にあやつれば、それでいい◆とはいうものの、である。“ここぞ”という勝負どころぐらいは腕まくりした首相の素手を見せてもらわないと、国民は不安に駆られよう◆菅内閣の支持率が25%まで下落した。不支持の理由では、首相の指導力を問題にした人が最も多い。「尖閣」は仙谷官房長官の独り舞台となり、「政治とカネ」は小沢一郎氏の国会招致を岡田幹事長に任せきりにした印象が残る。どちらの首尾も上々とは言いがたく、見えない素手に不満が募るのは致し方ない◆岩城さんは著書のなかで、音楽の素人から何度も聞かれてうんざりした質問を披露している。「指揮者って何のためにいるんですか?」。首相って…。

2010年12月7日01時41分  読売新聞)
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