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電気自動車 技術革新促すエコカー競争(12月6日付・読売社説)

 走行中に二酸化炭素(CO2)を出さない電気自動車(EV)の競争に火ぶたが切られた。

 本格的な普及にはまだ課題も多いが、競争の結果次第で、業界の勢力図が激変する可能性がある。

 日産自動車が5人乗りEVの「リーフ」を発表した。日米で近く販売し、欧州でも売り出す。

 リーフはリチウムイオン電池を搭載し、1回の充電で約200キロ・メートル走行できる。価格は約376万円で、政府の補助金を利用すると300万円を下回る計算だ。

 燃費が良いエコカーの商戦では、トヨタ自動車が1997年、ガソリンエンジンと電気モーターで走るハイブリッド車(HV)のプリウスを発売して先行した。ホンダもすぐに追随し、2社が市場を牽引(けんいん)してきた形だ。

 大きく出遅れた日産は、リーフで巻き返す狙いだろう。

 国内メーカーのEVの量産化はアイ・ミーブを昨夏発売した三菱自動車に続いて2社目だ。

 世界では、米国や中国のベンチャー企業が次々とEV市場に参入している。経営破綻から復活したゼネラル・モーターズ(GM)もシボレー・ボルトを発売する。

 エコカーの先行組と、後発のEV勢が覇権を争う業界の大変革期を迎えたと言えよう。

 トヨタとホンダも対抗上、2012年にEVを売り出す方針を決めた。独企業も投入予定で、EV新時代を予感させる。

 欧米では排ガス規制が強化されることから、各社が温暖化対策の“優等生”とされるEVの開発を急いでいる。

 しかし、EVには課題も山積する。200万円弱まで値下がりしてきたHVに比べて割高で、1回の充電で走行できる距離が短いことだ。充電設備もまだ少なく、ユーザーには不便だ。

 リチウム電池の防水対策や、どんな厳しい気象条件でも走行できる安全対策も求められよう。

 エコカーの主役は当面、HVとみられるが、いずれEVに移行するのかどうか。各社は性能を向上させる技術革新を競う必要がある。充電設備の拡充も急務で、政府の支援も欠かせない。

 様々な課題を克服して利便性を高めれば需要が伸びる。メーカーも値下げが可能になり、普及に弾みがつくだろう。

 EVはリチウム電池の競争でもある。韓国企業と争うパナソニックやソニーなども正念場だ。日本企業が競争力を発揮し、新市場を主導することが期待される。

2010年12月6日01時08分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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