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子ども手当 上積み先行で財源はどうする(12月4日付・読売社説)

 政府は来年度の子ども手当について、3歳未満には7000円を上乗せし、月額2万円とすることを決めた。

 だが、2日の関係閣僚会合で合意したのは、その一点のみだ。上乗せに必要となる約2400億円の財源については結論が出ず、今後の税制改正などの議論の行方にゆだねられた。

 民主党は子ども手当に関して、参院選公約では「財源を確保しつつ上積みする」としていた。財源の議論より上積みの決定が先行するのは、順序が逆ではないか。

 0〜2歳だけ支給額を増やす理由も釈然としない。玄葉国家戦略相は「小さな子がいる家庭の親は一般に若く、所得が低いため」というが、後付けの説明だろう。

 子ども手当と引き換えに、来年から15歳以下の扶養控除がなくなる。支給額が月1万3000円では、3歳未満の子がいる世帯の家計はマイナスになってしまう。この“設計ミス”を解消するためのつじつま合わせである。

 今のところ財源は、所得の高い世帯の配偶者控除を廃止して捻出する案が有力のようだが、これもうなずけない。

 専業主婦を優遇する配偶者控除は、女性の就業意欲を損なう、との指摘はある。しかし、その観点から廃止するなら所得の多寡は関係ないだろう。

 民主党は一方で、子ども手当は所得に関係なく一律支給することにこだわっている。これは、ご都合主義ではないか。

 上積み分どころか、現在の支給分の財源も不安定である。

 民主党は当初、「子ども手当の財源は国が持つ」としていたが、初年度は暫定措置として自治体にも負担を求めた。その継続には自治体側が強硬に反対している。

 現行の子ども手当法は1年限りの時限立法であるため、こうした難題に結論を出して新法案を通さなくてはならない。それも、ねじれ国会で成立させるのは容易ではないだろう。

 毎年、帳尻合わせのような手直しを繰り返すようでは、子育て世帯の安心にはつながらない。

 以前の児童手当の枠組みに、ある程度立ち返るのが現実的ではないか。子ども手当を児童手当の拡充、と位置づければ、それは野党も主張してきたことだ。

 児童手当と同様に所得制限を設ける。自治体にも同程度の負担を求める。自治体が徴収に苦労している給食費などを、子ども手当から引けるようにすれば理解も得られよう。

2010年12月4日01時47分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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