HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37877 Content-Type: text/html ETag: "15ce49-16c3-4dbe28c0" Expires: Sat, 04 Dec 2010 02:21:33 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 04 Dec 2010 02:21:33 GMT Connection: close 衆参「ねじれ」 機能不全見せつけた臨時国会 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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衆参「ねじれ」 機能不全見せつけた臨時国会(12月4日付・読売社説)

 「熟議」どころか、政権の機能不全を露呈した国会だった。戦略を抜本的に練り直さない限り、菅内閣は来年の通常国会を到底乗り切れまい。

 ほぼ2か月にわたった臨時国会が3日、閉幕した。

 政府提出法案の成立率が過去最低水準の3割台にとどまったことは、菅内閣の政策実現能力の低さを物語っている。

 政府・民主党は当初、参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」で、法案・政策ごとに野党と連携する部分連合を模索した。

 だが、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の対応、北方領土問題など外交で大きくつまずき、内閣支持率が大幅に下落した。補正予算などで協力を求めた公明党から見放されたのも当然だ。

 小沢一郎元代表の「政治とカネ」をめぐる問題も全く進展しなかった。菅首相は結局、リーダーシップを発揮せず、民主党には自浄能力がないとの印象を一層強める結果となった。

 小沢氏は「一兵卒」として党を支えると公言しながら、岡田幹事長が衆院政治倫理審査会への出席を再三にわたって要請しても、拒否し続けた。それどころか、小沢氏支持派の結束を誇示して執行部を牽制(けんせい)する動きも見せている。

 小沢氏の資金管理団体「陸山会」については、2009年の政治資金収支報告書で突出した資金集めの実態が明らかになった。加えて、旧新生党の資金が「陸山会」に流れ込み、小沢氏からの借入金返済に充てられたと見られている。

 小沢氏の説明責任は、一段と重くなったと言わざるを得ない。

 小沢氏は検察審査会の議決により、強制起訴される運びだ。民主党にとっては来春の統一地方選に向けての重い足かせとなる。

 今後の焦点は、内閣の要である仙谷官房長官と、馬淵国土交通相に対する問責決議の影響がどこまで及ぶかだ。

 自民党は仙谷、馬淵両氏を「閣僚として受け付けない」(逢沢一郎国会対策委員長)とし、通常国会での対決姿勢を強めている。菅首相は、よほど腰を据えて局面打開を図らなければ、早晩行き詰まってしまうだろう。

 菅政権は、消費税率引き上げや普天間飛行場移設、環太平洋経済連携協定(TPP)参加など数々の政策課題に直面している。

 野党との大胆な連携も視野に課題解決への枠組みを構築しなければならない。そのためにも、破綻をきたしている政権公約からの政策転換を急ぐ必要がある。

2010年12月4日01時47分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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