HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Fri, 03 Dec 2010 23:12:45 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:ほどほどが大事、ということは世の中にいろいろあるが、酒など…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年12月4日

 ほどほどが大事、ということは世の中にいろいろあるが、酒など、その代表格だろう。だが、ほどほどが難しいことの代表格もまた、酒かもしれぬ▼<うどん屋の饂飩(うどん)の文字が混沌(こんとん)の文字になるまでを酔う>高瀬一誌。まったくだ。過ぎれば時に混沌が待っている。酒の上の不始末やトラブルの経験がないなどという左党はいまい。最近では、歌舞伎の市川海老蔵さんが暴行された事件も思い浮かぶ▼心配する周囲を「おれは酔ってないから」などと振り払い、千鳥足で帰りの駅へ向かう。酒席の後など、どこにもある光景だろうが、<酔いはせぬとは生酔いの古句なり>と江戸の川柳。「酔ってない」が酔っぱらいの決まり文句であること、時代は問わない▼無事に駅までは着けても、それからが剣〓(けんのん)だ。国土交通省によれば、本年度上半期に鉄道の駅ホームで発生した転落や、電車との接触による死傷事故は既に百十七件。このうち六割ほどは、酒に酔った乗客がらみだという▼転落したが、電車との接触前に助けられたケースも七百五十七件。こっちも約七割が酔客がらみだ。わけても忘年会だ、新年会だと飲む機会が増えるこれからが危ない。過去何年かの統計でも、十二月、一月の金曜夜に、この種事故は頻発している▼やっぱり、ほどほどで切り上げるのが上策である。せめて看板の文字が正しく読めるうちに。

 

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