
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37923 Content-Type: text/html ETag: "ffe6c-1723-e129ec80" Expires: Fri, 03 Dec 2010 00:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 03 Dec 2010 00:21:09 GMT Connection: close
![]() 新常用漢字 学習指導への配慮が必要だ(12月3日付・読売社説)日常生活で使われる漢字の目安となる常用漢字表が改定された。 1981年に1945字を掲載した常用漢字表が制定されて以来、29年ぶりの見直しである。「 今やパソコン、携帯電話のキーを押すだけで、難しい漢字でも簡単に表示できる時代だ。最新のパソコンには1万字を超える漢字が搭載されている。そんな技術の進歩を踏まえての改定だ。 例えば、交ぜ書きの「親ぼく」は「親睦」、「そう快」は「爽快」と書ける。「花の匂い」「手術の痕」などといった表記も可能になった。日本語表現が、より豊かなものになったと言える。 文部科学省は、新たに追加された196字について、2012年度から中学、高校で本格的に指導を始め、15年度入試から出題を解禁するとしている。 懸念されるのは、どこまで教えるかについて国が明確な基準を示していないことだ。 今の学習指導要領は、中学で「常用漢字の大体を読むこと」、高校で「常用漢字の読みに慣れ、主な常用漢字が書ける」ことを求めている。だが、具体的な範囲については曖昧なままだ。 「憂鬱」や「語彙」などの漢字が、入試に書き取り問題として出題される可能性がある。受験生には大きな負担となるだろう。 常用漢字表の改定を提案した文化審議会の答申は「漢字表に掲げるすべての漢字を手書きできる必要はなく、また、それを求めるものでもない」としている。 それならば、生徒に手書き出来るよう求める漢字の範囲を明示すべきではないか。 1946年に制定された当用漢字表(1850字)は、日本語を簡略化させる方針の下に漢字使用を厳しく制限するものだった。戦後の一時期には、一部で漢字廃止論すら唱えられた。 しかし、幅広い漢字の使用を求める声は根強く、より緩やかな81年の常用漢字表につながった。今回の改定は、“規制緩和”の潮流をさらに推し進めたものだ。 漢字は単なる記号ではなく、歴史の中で育まれた文化そのものである。毛筆で書くことで味わいが深まる字もあれば、読みを知るだけで興味がひかれる字もある。 難しい字の書き方の習得に時間を割くより、漢字の魅力を伝えていく。そんな学習指導のあり方も検討していくべきだろう。 (2010年12月3日01時25分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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