「まさか、宇宙人でも発見したのか?」と、一瞬、少し本気で思った。米航空宇宙局(NASA)の謎めいた記者会見の予告▼何とも思わせぶりではないか。「地球外生命体の証拠の探索に影響を与える宇宙生物学上の発見」について、とは。メディアなどでさまざま臆測が飛び交ったのも当然である▼だが、実際に発表されたのは、炭素など知られている六つの基本要素以外でも生命が存在する可能性が分かった、云々(うんぬん)。今後の地球外生命体探索に影響を与える大発見だとしても、どうも思っていたよりは、かなり地味である▼少し前には、米国の大学などのチームが地球から二十光年離れたところに、地球と最も似た環境を持つとみられる惑星を発見したとのニュースがあった。米CNN(電子版)によれば、その大学の教授は「その惑星に生命が存在する可能性は100%だ」と断言している▼広大無辺の宇宙だ。この小さな地球以外に生命体が存在しないと考えるのは確かに無理がある。ただ、教授の言う通りでも、光速で二十年もかかる惑星に人類が確かめに行く術(すべ)は今のところない▼むしろ、近々に可能性があるとしたら、向こうから来る方か。今回のNASA騒動を伝える記事で、ある米紙が書いたのに同感。もし宇宙人がいるなら、どうか映画『E・T』に出てくるような友好的な生命体でありますように…。