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１１月２９日付　よみうり寸評

　「双葉山を知らない人には知ってもらえたし、知っている人にも、もっと知ってもらえたと思う。恩返しができた」と横綱白鵬◆双葉の６９連勝には及ばなかったが、６３連勝は大いに讃(たた)えていい。連勝の止まった１敗の後は無敗で今場所１４勝１敗。平幕豊ノ島との優勝決定戦に勝ち５場所連続、１７度目の優勝を果たした◆「いろいろあった年なので最後は自分が締めなければ」とも言った。その責任を十分に果たし今年納めの九州場所を終えた。連勝が止まると、さすがに心は揺れたが、双葉山でさえできなかったその場所の優勝だ◆大横綱双葉山の心境にだれよりも近づいたといえるかも知れない。優勝後の話にも日本人以上に日本人の横綱の風格を見た。来年は双葉山に再挑戦を期待する◆久々に日本人力士が活躍した場所でもあった。白鵬の連勝を止めた殊勲賞の稀勢の里、優勝決定戦に進出し敢闘、技能両賞の豊ノ島。不祥事で謹慎後の敢闘だ◆ご当地力士、大関魁皇の１２勝３敗は目を見張る大健闘、連日の喝采(かっさい)だった。

（2010年11月29日13時42分読売新聞）

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