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【社説】

緊迫 朝鮮半島 北は警告を軽くみるな

2010年11月29日

 北朝鮮による韓国延坪島砲撃への対応が二十八日、急展開をみせた。米韓は合同軍事演習を始め、中国は緊急の「六カ国協議」を呼びかけた。今は南北の衝突拡大阻止に総力を傾けたい。

 米韓演習は朝鮮半島西の黄海で四日間の日程で始まった。米原子力空母「ジョージ・ワシントン」とイージス艦などが参加。七十機余の艦載機と巡航ミサイルを備え北朝鮮全土を射程に収める。

 演習海域は黄海上の境界である北方限界線(NLL)から百八十キロ以南とみられ、米韓は現時点では北朝鮮直近での行動を控えているようだ。

 北朝鮮は「戦争前夜の険悪な域へと突っ走っている」(祖国平和統一委声明)と反発し、演習に対抗して沿岸に対艦ミサイルを配備したとの情報もある。

 緊張をここまで高めたのは、延坪島の住民二人を死亡させた北朝鮮の砲撃である。韓国軍が先に砲撃したので「反撃した」と抗弁しても通用しない。米韓の警告を軽く見てはならない。不用意に韓国領を攻撃することは絶対にやめよと、強く求めたい。

 朝鮮半島は「一触即発」の危機にある。中国も動きだした。

 戴秉国国務委員が訪韓し二十八日に李明博大統領と会談した。「中国の排他的経済水域(EEZ)での演習は認めない」(外務省報道局長)との見解を伝えて米韓演習を牽制(けんせい)しながら、対話による緊張緩和を求めたとみられる。

 中国政府はこの後、北京で会見し六カ国協議の首席代表会合を十二月上旬に開くよう呼び掛けた。

 しかし、韓国の李大統領は戴国務委員に「(中国は)公正で責任ある姿勢」で朝鮮半島の平和に寄与するよう求め、北朝鮮を擁護しないよう牽制した。「六カ国協議を再開する時期ではない」と難色も示したという。国民の反発を考慮したためだ。

 三月に起きた韓国哨戒艦沈没事件でも、中国は北朝鮮の犯行だと認めないまま六カ国協議を呼び掛けた経緯がある。韓国が現時点で対話に消極的なのも当然といえよう。

 朝鮮半島の緊張はまだ続きそうで、対話の道を根気強く探りたいが、いまは北朝鮮の挑発抑止が先決だ。北朝鮮指導部が韓国の民間人を犠牲にしたことを謝罪または遺憾を表明するよう、各国が圧力をかけるべきだ。

 日本政府は六カ国協議にどう対応するか。韓国と米国の見解を尊重して、緊密に協議しながら慎重に見極めたい。

 

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