HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Mon, 29 Nov 2010 22:10:44 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:大みそかの紅白歌合戦に初出場が決まったHYは、沖縄在住の男…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年11月29日

 大みそかの紅白歌合戦に初出場が決まったHYは、沖縄在住の男女五人のグループ。大手レコード会社とは無縁のインディーズながら、アルバムはヒットチャートの一位を何度も獲得、地道なライブ活動で全国的な人気がある▼メンバーが祖父母の戦争体験を聞いたのをきっかけに生まれたのが代表曲の「時をこえ」だ。雨のように火の粉が降る沖縄戦を生き抜き、次の世代につながれた命の尊さを<僕らが伝えなきゃ>と歌う▼命の大切さを伝えたいという思いが自然体に聞こえるのも、沖縄のバンドだからだろう。野外ライブで初めて演奏した時、頭上を米軍の戦闘機が爆音を立てて飛び去ったというエピソードも象徴的だ▼在日米軍基地が集中する沖縄の知事選は、現職の仲井真弘多知事が、伊波洋一・前宜野湾市長を破り、再選を果たした▼焦点の米軍普天間飛行場の移設は、両候補とも辺野古への可能性を否定したが、日米安保条約の見解は対照的だった。条約堅持を主張する仲井真氏に対し、伊波氏は条約の破棄を訴えていた。真の争点は安保だったのかもしれない▼北朝鮮の砲撃を受けて、米韓合同軍事演習が始まった。同じ民族が再び戦争で殺し合うのか。そんな緊迫感が県民の選択に与えた影響を想像してみる。時代を超えたHYのメッセージに耳を傾けながら、基地を押しつけてきた身勝手さを恥じた。

 

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