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参院問責可決 一段と追い込まれた菅政権(11月28日付・読売社説)

 尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件の不手際を理由に、仙谷官房長官と馬淵国土交通相に対する問責決議案が参院に提出され、野党の賛成多数で可決された。

 問責決議に法的な拘束力はないが、過去に決議が可決した麻生首相ら3氏はいずれも辞任に追い込まれた。菅政権が一段と苦境に立たされたのは間違いない。

 自民党が提出した仙谷氏の問責決議は、中国人船長釈放の経緯の不透明さに加え、海上保安庁が撮影した衝突時の映像を非公開とした判断を厳しく批判している。

 馬淵氏の場合は、映像流出事件を招いた海保の杜撰(ずさん)な情報管理体制への監督責任を挙げている。

 どれも、もっともな指摘だ。漁船衝突事件で仙谷氏らに政治責任があるのは明白である。

 菅首相は、仙谷、馬淵両氏を続投させる考えを強調している。内閣の“司令塔”である仙谷氏を辞任させれば、政権の屋台骨が揺らぐと懸念してのことだろう。

 だが、自民党だけでなく、公明党まで政府・民主党に距離を置いたままでは、臨時国会の残り会期中は無論、来年の通常国会も法案を成立させるめどが立たず、国政の大幅な停滞が避けられない。

 公明党の山口代表は「問責の重みを軽視し、さらにまずい対応を重ねることがあれば、問責の効果は尾を引くことになるだろう」と警告している。

 野党側は、仙谷氏らが出席する委員会審議に応じない構えだ。仙谷氏らが閣僚にとどまることを理由に、審議拒否戦術を乱用することは許されないが、菅首相は、ねじれ国会という厳しい現実を重く受け止めるべきだ。

 問責決議に先立ち、総額4兆8000億円超の円高・デフレ対策を盛り込んだ今年度補正予算が成立した。しかし、政府提出法案の成立はわずか30%台だ。補正予算以外は、見るべき成果がほとんどない国会と言わざるを得ない。

 ねじれ国会による国政停滞を避ける責任は与野党双方にある。だが、より多くの努力を求められるのは政府・民主党である。

 特に、小沢一郎・民主党元代表の「政治とカネ」に関する国会招致を実現しないまま、今国会を閉じることは到底許されまい。

 菅首相は、小沢氏の説得を岡田幹事長任せにせず、自ら指導力を発揮すべきだ。まして、問責決議を受けた与野党対立を口実に、このまま会期末を迎えればよい、と計算しているとすれば、大きな考え違いである。

2010年11月28日01時41分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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