HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37826 Content-Type: text/html ETag: "b7de4-171c-646a6e40" Expires: Sat, 27 Nov 2010 02:21:38 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 27 Nov 2010 02:21:38 GMT Connection: close 米韓軍事演習 中国も「北」抑止の責任がある : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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米韓軍事演習 中国も「北」抑止の責任がある(11月27日付・読売社説)

 韓国と米国が、朝鮮半島の西の黄海で、28日から4日間、合同軍事演習を実施する。米海軍原子力空母「ジョージ・ワシントン」も参加する。

 北朝鮮が、民間人の住む韓国・延坪(ヨンピョン)()を砲撃した事件では、4人が死亡し、軍施設や民間の住宅などに少なからぬ被害が出た。北朝鮮は、第2、第3の攻撃も辞さない構えを見せている。

 その中で行われる米韓軍事演習は、北朝鮮のさらなる武力挑発を抑止するのが狙いとされる。

 何しろ相手は常識では計れない国だ。演習も一定の効果はあろうが、油断は禁物だ。事実、北朝鮮は、米韓が韓国哨戒艦の撃沈事件後、2度実施した合同軍事演習をあざ笑うように、砲撃した。

 日本も、朝鮮半島の緊張を高める北朝鮮の今後の出方を、強い警戒心を持って注視すべきだ。菅首相が閣僚に対し、米韓演習中、不測の事態に対応できるよう禁足令を出したのは当然である。

 北朝鮮は、金正日総書記から年若い息子へと権力を移行する不安定な過程にある。後継者の正恩氏が党中央軍事委員会副委員長という要職に就き、実績誇示のため無謀な冒険主義に走るのでは、という懸念が強まっていた。

 今回、朝鮮戦争の休戦以降で初の陸地砲撃を強行したことで、その不安は現実のものとなった。

 国際社会は、北朝鮮にこれ以上の暴走を許してはならない。

 日米韓は、連携をさらに強化して、核兵器量産や核拡散の脅しをはねのける必要がある。

 北朝鮮と関係が深い中国は、先に米韓が黄海で合同軍事演習をした際には、米空母の参加に「断固反対」を表明した。眼前の海域では、米軍に自由な行動は取らせない、という意思表示だった。

 今回も26日夜、外務省副報道局長が「中国の排他的経済水域(EEZ)では、どの国であれ、許可なく軍事行動をとることに反対する」と、反発した。

 中国は、圧力をかけて北朝鮮に核廃棄を迫ろうとする日米韓には同調せず、むしろ経済支援の強化によって3代世襲体制を支える立場だ。隣国の北朝鮮で体制が崩壊すれば、中国の安定も損なわれるという計算があるのだろう。

 だが、地域の平和と安定を脅かしているのは、北朝鮮である。甘やかしてきたことが、ここまで増長させたのではないか。

 北朝鮮の現状を黙認するなら、地域情勢は不安定さを増すばかりだ。時限爆弾を抱える現実を、中国は認識しなければならない。

2010年11月27日01時40分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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