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11月26日付 編集手帳

 ユーモアとは、〈「にもかかわらず」笑うこと〉だという。ドイツの哲学者、アルフォンス・デーケン氏が著書に書いていた。つらいことがあり、苦しいことがあり、にもかかわらず笑うことだ、と◆フランスの作家、ジュール・ルナールも〈ユーモリストとは不機嫌を上機嫌にぶちまける人のことである〉と語っているところをみれば、ユーモアとはきっと、涙や冷や汗を養分にして咲く花のようなものなのだろう◆「にもかかわらず」にも限界はある。児童の自殺、尖閣、北朝鮮…ユーモアの花も咲かせようがない出来事がつづく。咲かせようとしてしくじり、閣僚を辞めた人もいる。世の中は笑い欠乏症に感染しつつあるようである◆サンタクロースに世界共通の笑い方があるとは知らなかった。「ホッホッホー」というらしい。本紙の東京版が福祉施設などを訪問するボランティア向けに開かれた“サンタらしさを学ぶ勉強会”の模様を伝えていた◆おなじみの衣装に白いヒゲ、正調サンタ笑いの聞こえてきそうな写真が添えてある。小さな記事に心ひかれるのも時世ゆえか。こんなに笑いの恋しい冬もない。

2010年11月26日01時47分  読売新聞)
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