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11月25日付 編集手帳

 ソ連の駐米大使が言う。〈サーベルで威嚇するときはガチャガチャと音が出るが、抜くときには音がしないものだ〉。冷戦下を舞台にした海洋冒険小説、トム・クランシー『レッド・オクトーバーを追え』(文春文庫)の一節である◆有事というものを、よく言い当てている。脅し文句の語調が次第に強まり、やがて極限に達し、潮が満ちるように有事は訪れない。韓国の島、延坪(ヨンピョン)()を突然砲撃した北朝鮮の暴挙は、〈抜くときには…〉の実例だろう◆米国の反応はすばやい。韓国の防衛に断固として関与する旨の声明を出し、米韓合同軍事演習によって北朝鮮のこれ以上の暴発を(けん)(せい)するという。サーベルに対する「盾」の自覚だろう◆顧みれば政権交代の後、「米国だけが友人ではない」とばかりに中国に秋波を送り、普天間問題などで盾にヒビを入れたのは誰だったか。「命を守りたい」と言いながら国民の生命を累卵の危うきに置く“友愛外交”が続いていたら――背筋に冷たいものが走る。菅首相は外交戦略の立て直しを急ぐべきである◆次に邪悪なサーベルの向かう先が、日本でないとは誰も言えない。

2010年11月25日01時15分  読売新聞)
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