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11月23日付 編集手帳

 正岡子規が大学予備門、のちの旧制一高を受験したとき、英語の試験問題に「Judicature」という単語が出た。隣の受験生にこっそり聞くと、「ホーカン」(法官)だという◆子規は答案に「幇間(ほうかん)」(=たいこもち)と書いた。司馬遼太郎さんが『坂の上の雲』(文春文庫版)に書き留めている。法官を束ねる立場の人も似たような勘違いをしたのかも知れない◆法相はいいですよ。答弁を二つ覚えておけば務まります…。地元の支持者らを前にして下手な幇間よろしく、笑いを誘って聴衆のご機嫌を取り結ぼうとした自虐ネタが(あだ)となり、柳田稔法相が国会軽視の発言で引責辞任した◆火災現場でダジャレを言う消防士はいない。手術中に漫談をする外科医もいない。スピーチをする人ならば誰しも多少の笑いを取りたいのが人情とはいえ、国難と呼んでもいい「尖閣」問題の渦中に身を置く閣僚が、職務を(おとし)める冗談をみずから口にする。常識の(らち)(がい)であり、資質を疑われても仕方があるまい◆タイコだけにバチが当たります――()(ばなし)のサゲではなし、緊張感を欠いた菅内閣のお粗末は笑うに笑えない。

2010年11月23日01時17分  読売新聞)
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