HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sat, 20 Nov 2010 00:12:17 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:国会軽視発言 法相は罷免に値する:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

国会軽視発言 法相は罷免に値する

2010年11月20日

 法務行政を担う柳田稔法相が国会を軽視する発言をした。法相としての適格性が疑われ、罷免に値する内容だ。菅直人首相の任命責任も厳しく問われる。厳しい処断で閣内を引き締めるべきである。

 問題となったのは「法相は二つ覚えておけばいい。『個別の事案については答えを差し控える』と『法と証拠に基づいて適切にやっている』。これはいい文句だ。分からなかったらこれを言う」との地元選挙区での会合での発言だ。

 「仲間内」(法相)という気安さもあったのだろうが、法相の職務を愚弄(ぐろう)する発言内容だ。

 自民党政権時代にも同様の答弁を繰り返す法相はいた。刑事訴訟法は「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない」と定めており、公判維持のために個別事案の詳細を明らかにしないのなら理解できる。

 しかし、それが野党の追及をかわすためだったり、法律を盾に紋切り型の答弁を繰り返すためだとしたら、あまりにも不誠実だ。国権の最高機関である国会での審議を何と心得ているのか。

 参院で法相問責決議案が提出されれば、可決の見通しだという。可決されても直ちに辞任しなければならない法的拘束力はないが、菅内閣は決議案を提出される事態を深刻に受け止めるべきである。

 首相は「本人は深く反省して謝罪している」と、今のところ続投させる考えのようだ。

 首相が擁護するのは、野党の圧力で法相が辞任すれば、中国漁船衝突事件で野党の批判にさらされる仙谷由人官房長官や馬淵澄夫国土交通相の進退問題にも波及しかねないと懸念するからであろう。

 国民生活に直結する補正予算成立前は野党側も強硬に出られないとの読みがあるのかもしれない。

 とはいえ、問題となっているのは、国会対策という次元の話ではなく、法相としての適格性だ。

 柳田氏の法相起用は「法務関係は一回も触れたことはない」と自身が吐露する異例さだった。検察改革や死刑制度、裁判員裁判など多くの課題を抱える法相として、適材適所だったのか。

 菅改造内閣発足から二カ月がたち、ほかの閣僚からも緊張感を欠く発言が相次いでいる。経済情勢が厳しい上に、「ねじれ国会」であることを忘れてはいまいか。

 首相は閣内を引き締め、国民生活のための政策実現に死力を尽くすべきである。身内に甘い対応では人心は離れるばかりだ。

 

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