
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37654 Content-Type: text/html ETag: "100a7a-1688-2e262d80" Expires: Wed, 17 Nov 2010 03:21:31 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 17 Nov 2010 03:21:31 GMT Connection: close
![]() はやぶさ 世界初の偉業を未来に生かせ(11月17日付・読売社説)宇宙開発の歴史に刻まれる快挙だろう。 今年6月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」が、小惑星イトカワの微粒子を持ち帰っていたことが確認された。 月より遠い小惑星のサンプルを直接入手できたのは世界初だ。目標の達成に貢献した研究者、技術者を、まずはたたえたい。 微粒子は「はやぶさ」のサンプル容器に入っていた。最大でも100分の1ミリ程度しかないが、約1500個ある。宇宙航空研究開発機構の分析によれば、地球の粒子とは性質が異なり、大半はイトカワのものと判断した。 小惑星には、地球のような地殻変動がない。このため微粒子は太陽系が誕生した46億年前の痕跡をとどめている可能性がある。 太陽系の起源、発展を解明する貴重な試料となるはずだ。分析と研究を深めてもらいたい。 それにしても、これほどの成果を誰が想像したことだろう。 2003年に地球を旅立ち、宇宙を約60億キロ・メートル飛行した「はやぶさ」の軌跡を振り返ると、感慨深いものがある。 当初は順調な飛行だったが、05年にイトカワに接近してからはトラブル続きだった。自動制御でイトカワに着陸してサンプルを回収するはずが、燃料漏れや通信の途絶などに見舞われた。 サンプルの回収でも、装置が予定通りに動かなかった。 地球に無事帰還できるかどうかも危ぶまれていた。予定より3年遅れで戻ったが、一見するとサンプル容器は空だった。 研究者はそれでもあきらめずに回収した容器の中を特別なヘラで丹念にすくい、電子顕微鏡などで綿密に調べてきた。幸運にも、着陸時に舞い上がった微粒子が容器に入っていたようだ。 「はやぶさ」の開発予算は約130億円だ。欧米、ロシアの過去の惑星探査機に比べれば大幅に少ない。それでも、イトカワ往復を実現させた日本の高度で効率的な宇宙技術には、欧米などが関心を寄せ、今後の宇宙ビジネスにもつながると期待されている。 ただ、こうした取り組みを今後も続けられるかどうか、雲行きは怪しい。日本の宇宙開発予算は縮む一方で、後継の小惑星探査機は計画はあるものの、開発予算がまだ確保されていない。 宇宙探査には、欧米、ロシアに加え、中国やインドも野心的に取り組んでいる。技術の優位性を維持するためにも、日本は十分な予算を手当てすべきだ。 (2010年11月17日02時55分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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