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11月16日付 編集手帳

 1年半ほど前の本紙『よみうり時事川柳』に、予言めいた一句が載っている。〈稀勢の里(きみ)が何とかせにゃいかん 東京・後藤克好〉◆きのうの午後6時前、どれほど多くの人の口から「ああッ!」の声が漏れただろう。大相撲九州場所2日目、横綱・白鵬が稀勢の里に寄り切られ、今年1月の初場所14日目から続けてきた連勝記録は「63」で止まった◆白星を重ねていけば7日目には“昭和の大横綱”双葉山の連勝記録「69」に並ぶ。記録の達成が待ち遠しく、立ちはだかる人が現れるのも待ち遠しく、複雑に心みだれる「ああッ!」であったに違いない◆双葉山の連勝記録を止めた安芸ノ海に挿話がある。師匠(出羽海親方)はさぞかし喜んでくれるだろうと意気揚々、部屋に戻ったが、ニコリともしてくれない。やがて口をひらいたという。「節男(=安芸ノ海の本名)、勝って騒がれる力士より、負けて騒がれる力士になれよ」◆負けて列島が騒然となるのは“平成の大横綱”たる証しだろう。記録の重圧と、一人横綱の重圧に挟まれて、不祥事つづきの土俵を白星の山で清めてくれた。その人に拍手を送る。

2010年11月16日01時53分  読売新聞)
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