HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Thu, 11 Nov 2010 23:10:46 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:トランプのことは、英語ではトランプといわず、カーズ(カード…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

2010年11月12日

 トランプのことは、英語ではトランプといわず、カーズ(カードの複数形)という。そして、カードには、交渉ごとなどの「切り札」の意もある▼では、トランプはといえば、やはり「切り札」が第一の意味。この語は、勝利や成功を意味するトライアンフの異形だそうだ。なるほど、交渉に上手に使えてこその切り札、ということなのかもしれない▼さて、今、世間を騒がせている尖閣諸島沖での中国漁船衝突のビデオ映像。政府は当初から「映像は公開しないから、その代わり…」といった具合に、映像をカードに使い、中国側の猛々(たけだけ)しい反応を収めようとしてきた節がある▼だが、結局は海上保安官によるネット流出が発生。どうも一時期は、各地の海保で容易に見られる状態になっていたようだから、切り札にしてはお粗末な管理である▼中国船の横道ぶりが明らかな内容だ。もし事件後、素早く正式公開していれば、相手方を怯(ひる)ませるインパクトもあったかもしれない。無論、流出も起きない。だが、手の内に残しておいた揚げ句、こういう形でオープンになっては、もう、その効力もない▼政府のお歴々は何かへの対処の姿勢を問われると、口癖のように「適時適切に」という。だが、今回、カードの使い方でそれができたとは言い難い。今後も外交交渉は続く。同じ轍(てつ)を踏めば、当然、トライアンフは覚束(おぼつか)ない。

 

この記事を印刷する





おすすめサイト

ads by adingo