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11月10日付 編集手帳

 ぼんやりして不始末をしでかした男を、茶店の主人がどやしつける。上方落語『住吉駕籠(すみよしかご)』である◆「われの、その顔の真ん中に二つピカピカーと光ってる、そら何じゃ、こら」「目ェでおます」「目ェかいそれ? わい、眉毛(まゆげ)が落ちんように留めたある(びょう)かと思たやないかい」◆群馬県桐生市の小学6年生、上村明子さん(12)が自殺して半月、いじめがあったことを学校側がようやく認めた。ネット上での中傷といった、傍目(はため)に察知しにくい種類のいじめではない。仲間はずれによる「ひとりぼっちの給食」である。尋常な目をもってすれば、一目(りょう)(ぜん)、いじめと分かっただろう。不可解でならない◆耳にも異状がある。父親・竜二さん(50)は学校に再三いじめの相談をし、明子さんは自殺の2日前、給食の悲しみを大声で泣きながら担任以外の職員に訴えていた。眉毛留めの鋲に、帽子留めのフックでは、学校もいじめの加担者に思えてならない◆いじめがつらくて明子さんが学校を休んだとき、欠席させる旨を連絡した竜二さんに学校側はたずねたという。「また、心の病気?」。病んでいるのは、どっちだ。

2010年11月10日01時49分  読売新聞)
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