HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 36512 Content-Type: text/html ETag: "f63da-1242-bf4d5780" Expires: Sat, 06 Nov 2010 23:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 06 Nov 2010 23:21:13 GMT Connection: close 11月7日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

11月7日付 編集手帳

 尾崎行雄は、政治の節目節目で心境を短歌に残している。1936年(昭和11年)に詠んだ一首。〈めでたかる()の議事堂にふさわしき議員を得るはいつの代ならん〉◆その年のきょう11月7日に現在の国会議事堂が落成した。白亜の殿堂を埋め尽くしたであろう祝賀ムードの中で独り、皮肉かつ冷徹な()を失っていない。さすがに憲政の神様と(たた)えられる人だ◆国会は約4年をかけて議事堂外壁の洗浄を進めてきた。その化粧直しが終わろうとしている。あとは中央塔を残すのみ。最近まで塔を覆っていたシートも徐々にはずされつつあり、議事堂全体が創建当時の美しさを取り戻す日も近い◆外側はきれいになったとして、問題は内側だ。近隣諸国に対してあたふたするばかりの政府、疑惑を持たれた所属議員に国会での説明すらさせられない与党――。この際、中身も丸洗いしてくれよ、と思う人は少なくなかろう◆第1回帝国議会の召集から数えると、今月は120年の節目でもある。咢堂(がくどう)翁に一首所望したい所だが多分、同じ歌を繰り返すしかないだろう。さて、ふさわしき議員を得るはいつの代ならん。

2010年11月7日01時18分  読売新聞)
現在位置は
です