HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 05 Nov 2010 22:11:04 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:『南総里見八犬伝』に、八犬士の一人、犬江親兵衛の持つ、「仁…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年11月6日

 『南総里見八犬伝』に、八犬士の一人、犬江親兵衛の持つ、「仁」の字の玉が不思議な“移動”をする話がある▼玉を借り受けた主君は、その力で姫の病を癒やすため、姫の臥所(ふしど)の下に埋める。玉は<香匣(こうばこ)と、共に一個(ひとつ)の壺(つぼ)に納(い)れ、又その壺を瓶(かめ)に蔵(おさ)め>たうえ<土中を穿(ほ)ること三尺許(さんじゃくばかり)>というから相当念入りな封じ込め方だ▼ところが、謀反に遭い、その玉の霊力を借りようと掘り出してみれば、ない。壺に自らつけた封印はそのまま。あら不思議、玉は封印を破ることなく移動し、親兵衛の懐に飛び帰っていた…▼中国漁船衝突事件の様子を収めたビデオ映像も土中ならぬ、関係機関の金庫などに、しかと“封印”されていたはずである。ところが、あら不思議、「仁」の玉よろしく飛び去ったわけではなかろうが、インターネット動画サイトに流出してしまった▼映像は公開すべきだ、いや非公開だと永田町で繰り広げられていた議論を、あざ笑うかのような漏洩(ろうえい)だ。どこかでコピーされたものか、その後、事件の映像が入ったDVDが捨てられているのが見つかった▼最近も、国際テロに関する警視庁の内部資料らしき内容がネット流出したばかり。一体、この国の情報管理、“封印”はどうなっているのかと国民も諸外国もあきれていよう。まさか、これが、菅首相言うところの「オープンな政治」ではあるまい。

 

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