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11月4日付 編集手帳

 明治生まれのジャーナリスト、長谷川如是閑(にょぜかん)は著書に書いている。〈「威厳」とは預けられた他人の財布のことだ。落さないように持っているだけで、使わないほうが無事だ〉と(『真実はかく(いつわ)る』)◆使う人もいる。民主党の小沢一郎氏が岡田克也幹事長の面会要請を拒みつづけている。幹事長が一議員に会いたくて会えない。岡田氏の言う「ちょっと異常な事態」を通り越していよう◆面会して国会招致の問題に話題が及ぶのを嫌ってのことだろうが、岡田氏が自民党で初当選した当時の幹事長が小沢氏であることも関係しているという◆氏周辺の解説によれば、格下の“元チルドレン”から国会招致の鈴を首につけられては小沢氏の威厳が損なわれるのだとか。内政も外交も多難の折に「一兵卒として党に尽くす」はずの人が体面にこだわり、国会審議の妨げになるようでは情けない◆面会拒否に、「ああ、小沢さんはやはり大物だな」と世間は感心するだろうか。しまい。「ああ、この人が首相でなくてよかった」と言われるのがオチだろう。政治資金の財布と威厳の財布、どちらも扱いの下手な人である。

2010年11月4日01時19分  読売新聞)
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