HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 03 Nov 2010 21:11:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:今年の夏、幻の映画といわれた『氷雪の門』が三十六年ぶりに公…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年11月3日

 今年の夏、幻の映画といわれた『氷雪の門』が三十六年ぶりに公開された。日本がポツダム宣言を受諾、降伏した後の一九四五年八月二十日、南樺太の真岡郵便局で日本人の女性電話交換手九人が自決した悲劇を描いている▼製作費五億円超。前売り券は七十万枚売れたが、当時のソ連大使館の「史実と異なる」との抗議で配給会社が上映を自粛、一部地域の公開にとどまっていた▼陸上自衛隊の全面協力とあって、侵攻するソ連戦車部隊の戦闘シーンは迫力十分だ。戦争は終わったはずなのに、突然、戦場になった樺太で、踏みにじられる避難民に胸が痛んだ▼一万七千人の日本人が住んでいた択捉、国後、色丹、歯舞群島も降伏後、ソ連軍に武力占領された島だ。日露戦争で割譲を受けた南樺太と違うのは、ソ連が不法占拠するまで一度もソ連領になったことがないことだ▼その国後島をロシアのメドベージェフ大統領が初めて訪れた。過去のソ連、ロシアの首脳は日本に配慮し自粛してきた。再来年の大統領選も視野に、四島を実効支配している現実を誇示するパフォーマンスなのか▼警告も無視され、尖閣問題に続いてさらけ出された日本外交の無策。ロシアと中国の「連携」を疑ってしまう。政府は駐ロ大使を一時帰国させるが、大統領は他の島の訪問も計画している。押しつぶされそうな難題を政権は抱え込んだ。

 

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