HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Mon, 01 Nov 2010 22:13:13 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:東京拘置所の面会室で、殺人罪に問われて、一、二審で死刑や無…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

2010年11月2日

 東京拘置所の面会室で、殺人罪に問われて、一、二審で死刑や無期懲役などの判決を受けた何人かの被告と会ったことがある。アクリル板を隔て話をすると微妙な差を感じた。無期や有期懲役の被告には、どこか余裕があるのだ▼残された時間を意識するのか、極刑の被告は一刻も無駄にできないという切実さが伝わってきた。死刑と無期は天と地の差なのだから、にじみ出るのは当然なのかもしれない▼初めて死刑が求刑された裁判員裁判の判決で、東京地裁はきのう、無期懲役を言い渡した。突然、未来を奪われた被害者への思い。極刑を求める遺族の姿。泣きながら謝罪する被告の表情。裁判員にとっては心が揺れ動く毎日だったはずだ▼補充裁判員も含めて、六人が出席した記者会見を取材した。疲れ切った表情の中にも、証拠に基づいて量刑を判断したという充実感がうかがえた▼死刑はどう執行されるのか。無期懲役とどう違うのか。一人の裁判員は「正確に把握しないと判断できないので、分かるまで裁判官に質問した」と語った▼先日、死刑を執行する刑場が初めて公開されたが、国民に究極の判断を強いるのに、死刑囚の処遇や執行の情報がまだまだ不足している。「死刑制度にどんな意味があるのかもっと深く考えたい」と振り返った補充裁判員もいた。最高裁や法務省は、その思いに応える責任がある。

 

この記事を印刷する





おすすめサイト

ads by adingo