HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37524 Content-Type: text/html ETag: "15cce1-15c2-2586d180" Expires: Mon, 01 Nov 2010 03:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 01 Nov 2010 03:21:09 GMT Connection: close 東アジア会議 中国の膨張を抑える手段に : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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東アジア会議 中国の膨張を抑える手段に(11月1日付・読売社説)

 アジアで軍事的な存在感を強める中国を、どう抑止していくか。その答えの一つが、東アジア首脳会議(EAS)の拡大といえよう。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に、日本、中国、韓国など16か国が参加するEASが30日、ハノイで開かれた。

 来年から米国とロシアが正式参加することになっており、今回、クリントン米国務長官とラブロフ露外相も招かれた。

 EASのメンバーである中国に対し、国際的な協調行動を促すための絶好の組織となるのではないか。日本は米国と緊密に連携し、EASを地域の安全保障問題を話し合う枠組みとして活用していくべきである。

 EASは、地域の経済連携を進めるための枠組みとして2005年に創設された。環境や省エネ、防災など個別テーマの地域協力でも一定の成果を上げてきた。

 しかし、南シナ海では近年、中国が自国の漁船保護を名目に漁業監視船を派遣し、他国との摩擦を繰り返し引き起こしている。

 EASに先立って行われたASEAN・中国首脳会議でも、中国は、ASEAN側が求める法的拘束力を持つ「行動規範」の策定に応じなかった。

 今年になって、米国やロシアをEASに参加させようとの議論が急浮上したのも、ASEANだけで中国に対抗するのは限界があると判断したためだろう。

 菅首相は30日のEASで、米露の参加を歓迎したうえで、安保分野のテーマもEASの場で積極的に議論することを提案した。

 首相は「我々は海洋で結ばれ、周辺海域の平和と安定が不可欠だ。EAS参加国で強固な信頼関係を醸成したい」とも述べた。

 日本は東シナ海で、中国の海軍力増強の脅威にさらされている。インドもインド洋で同様の懸念を抱き、米国も「航行の自由の確保は国家利益」と言明している。

 懸念を共有する国が、中東と東アジアを結ぶ海上交通路(シーレーン)の安全を阻害しないよう足並みをそろえて促せば、さすがの中国も自制せざるを得なくなるのではないか。

 核開発を進める北朝鮮への経済制裁でも、各国が共同で北朝鮮関連船舶に対する貨物検査を強化すれば、国連安全保障理事会の制裁決議の実効性は格段に増す。

 菅首相が提案した通り、米露も参加するEASは、政治・安全保障問題も幅広く扱う枠組みに改めることが合理的であろう。

2010年11月1日01時25分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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