
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37496 Content-Type: text/html ETag: "1008ce-15b4-eaf4b500" Expires: Sat, 30 Oct 2010 23:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 30 Oct 2010 23:21:41 GMT Connection: close
![]() 名古屋議定書 生物の多様性を守る出発点に(10月31日付・読売社説)様々な動植物が生息できる環境を保全していくための基本ルールは、何とか出来上がった。 自然の恵みを享受し続けるためには、このルールに基づいた先進国と途上国の協調が欠かせない。 名古屋市で開かれていた生物多様性条約の第10回締約国会議(COP10)は、「名古屋議定書」などを採択して閉幕した。 急速に損なわれている生物の多様性を守ることは、世界全体の課題である。だが、保全のあり方については、各国の利害が複雑に絡む。それを改めて浮き彫りにした会議だったと言えよう。 その象徴が、名古屋議定書を巡る先進国と途上国の対立だ。 先進国の企業は、途上国原産の動植物や微生物などの生物遺伝資源から、医薬品や食料品などを製造してきた。その利益を原産国に配分する基本的ルールを定めたのが名古屋議定書だ。 途上国は、植民地時代にまでさかのぼって利益を還元するよう先進国に求めた。先進国から可能な限り多くの資金を引き出そうという途上国側の姿勢が際立ち、会議は決裂の可能性もあった。 それを回避するために、議長を務めた松本環境相が提示した議定書案が、ほぼそのまま議定書として採択された。 議定書では「公正かつ公平な分配」が規定されたが、過去の利益配分は退けられた。先進国側の負担が膨大になりかねないことを考えれば、現実的な結論である。 その一方で、アフリカ諸国の提案を取り入れ、利益配分の一部を原資にする多国間の基金創設が議定書に盛り込まれた。 松本環境相が「各国代表が歯がゆい思いで譲歩し、妥協した結果」と語ったように、先進国と途上国双方の譲歩の末に採択された議定書だったといえる。 2020年までの世界共通目標についても、「生物多様性の損失を止めるための効果的な緊急行動を起こす」という抽象的な表現で決着した。 会議での採択は全会一致が原則だが、190を超える加盟国・地域のすべてが満足する結論を得るのは困難だ。それを考えれば、議定書などの採択にこぎ着けたことで、日本は議長国として一定の責務を果たしたといえる。 今後は、会議の成果を生物多様性の保全に確実につなげていかねばならない。各国に求められるのは、自然の恵みを将来にわたって持続的に利用していくための節度ある姿勢である。 (2010年10月31日01時17分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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