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10月31日付 編集手帳

 「被告が不自然不合理な弁解に終始した結果、2人の被害者が公判での証言を余儀なくされ、二次的被害を受けた」。強姦(ごうかん)致傷罪などに問われた被告(39)に東京地裁が言い渡した判決は、検察の求刑通りの懲役10年◆裁判所に呼ばれ、忌まわしい記憶を語らされる苦痛は女性以外にはわかるまい。法廷外の別室から、ビデオリンク方式での証言とはいえ、裁判官と裁判員にはモニター画面で女性の表情が見える。声は傍聴人にも聞こえる◆性暴力の被害者は警察で被害の「再現」を求められ、検察では落ち度がないかの確認のため「なぜ強く抵抗しなかったのか」「逃げ出せたのではないか」と追及される。加害者(被告)の面前で法廷証言を強いられた時代もあった◆二次どころか三次、四次の被害。それを恐れ、泣き寝入りした女性も多かった。ビデオリンクなどを入れた刑事訴訟法の改正はほんの10年前のことである◆判決後に裁判員たちが感想を述べた。「女性の負担を考えると、音声だけでもいいと思う」「傍聴人が声を聞く必要があるのか。後で文書などを出しては」。この市民感覚を大切にしたい。

2010年10月31日01時17分  読売新聞)
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