HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sun, 31 Oct 2010 02:11:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:進化論で知られるチャールズ・ダーウィンはある生き物の研究で…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年10月31日

 進化論で知られるチャールズ・ダーウィンはある生き物の研究でも大家だったそうだ。<この下等な生き物ほど、世界の歴史に重要な役割を果たしてきた動物が、他にも多くいるかどうかは疑問である>と手放しで称賛したのはミミズだ▼人類が鋤(すき)を発明するはるか昔から、黙々と土を耕し豊かな土壌をつくってきた「偉大な働き者」の研究にダーウィンは四十年以上を費やし、ミミズが地表に肥沃(ひよく)な土をつくっていることを証明したという(ジェリー・ミニッチ著『ミミズの博物誌』)▼土中の窒素分を食べて、体内で動物性タンパクに変える。栄養が豊富なふんは植物を育てるのに役立つ。地味ではあるけれども、地球の生態系の中で欠かせない存在なのだ▼生物多様性条約締約国会議(COP10)はきのう未明まで議論がもつれ込んだ末に、発展途上国の貴重な生物資源の利用と利益配分を決める名古屋議定書などを採択し、閉会した▼途上国の生物資源を利用する先進国が、薬品などの開発による利益を還元し、熱帯雨林やサンゴ礁などの減少を食い止め、回復させる枠組みが固まった▼生物多様性というと、絶滅寸前の動物を思い浮かべるが、身近な生き物の変化に目を向けることも、多様性を考えるいい機会になる。そういえば、雨が降ると出てくる太いミミズを見ることが少なくなった。働き者だけに気になる。

 

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