
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37424 Content-Type: text/html ETag: "15ce49-15cc-908ee6c0" Expires: Sat, 30 Oct 2010 03:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 30 Oct 2010 03:21:41 GMT Connection: close
![]() 管制官有罪確定 航空事故防止への重い教訓(10月30日付・読売社説)航空管制官の明らかなミスで多数の重軽傷者が出た以上、刑事責任を負うのはやむを得ない。 複数の要因が絡んだ航空事故で、特定の個人だけを処罰することの適否が問われた裁判でもある。 静岡県焼津市の上空で2001年、日本航空の2機の旅客機が異常接近した事故で、最高裁が、業務上過失傷害罪に問われた2人の管制官の上告を棄却した。東京高裁の有罪判決が確定する。 最高裁は、実務訓練中の管制官が便名を取り違えて降下の指示を出し、指導役の管制官も誤りに気づかなかった「過失の競合」で事故は起きたと結論づけた。 ただ、最高裁も決定で「責任のすべてを被告に負わせるのは相当ではない」と指摘している。4人の裁判官の多数意見に対し、1人の裁判官は無罪意見を述べた。1審判決も無罪だった。 当時の管制システムや操縦マニュアルに不備があったことは事実である。この点では国土交通省や航空会社にも責任があるが、こうした要素を勘案しても、なおかつ管制官の罪を問えるかどうかが判断の分かれ目となった。 検察が主張したように「史上最悪の空中衝突事故になる恐れ」があった重大事故である。さらに負傷者の半数以上の57人もが被害届を出して処罰を求めたことも、有罪につながった要因だろう。 北海道では、やはり管制官の誤った降下指示で、全日空系のエアーニッポン機が大雪山系の山間部にあわや衝突というトラブルがあったばかりだ。 同機が搭載していた最新の対地接近警報装置が作動したため惨事は免れたものの、管制官は「最低誘導高度を失念していた」というからあきれる。管制官の能力や適性、勤務態勢や組織に問題がなかったのか徹底調査が必要だ。 今回の裁判に関連し、警察・検察が捜査に乗り出し、関係者が刑事訴追される現行制度では事故調査への協力が得られず、真相解明と再発防止の支障となるという意見が高まっている。 しかし、事故調査を担う国土交通省の運輸安全委員会は同種の事故を防ぐため、可能性や推定原因を含め幅広く調査する。これに対し、だれが事故を起こしたかに着目するのが刑事捜査だ。 両者が独立して事故に対処するから重層的、複眼的な真相の解明も期待できる。関係者が双方に協力し、調査も捜査も円滑に行われることで、乗客が背筋を凍らせるような事態を防いでほしい。 (2010年10月30日02時12分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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