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10月26日付 よみうり寸評

 仏教の興隆に尽くしたとされる伝説の多い光明皇后にまた新たな伝えが加わりそうだ。今年は皇后の没後1250年に当たる◆その年に、没後から今までとほぼ等しい期間、行方知れずだった宝剣2本の所在が判明した。仏の導きかなどとも思ってしまう。宝剣は夫・聖武天皇の遺愛品◆天皇が亡くなった756年に皇后が東大寺に献納、正倉院に収めたが、3年後に持ち出しの記録があり、以後不明に。今回、X線撮影でそれと確認されたのは、何と明治時代に大仏殿で見つかった国宝の刀2本だった◆正倉院に収めたのが皇后なら、大仏殿へ移したのも皇后であろう。持ち出しの記録は皇后の死の半年前。なぜそうしたのか。天平の昔に推理を働かすのもいい◆国家の平穏を祈ってか。天皇の冥福、自身の病気快癒を願ってか。推理の鍵は数々の伝説にあろう。〈わが背子と二人見ませばいくばくかこの降る雪のうれしからまし〉は皇后が夫を慕った歌◆皇后は仏の教えを実践し、光り輝くような女性だったと伝えられる。

2010年10月26日13時53分  読売新聞)
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