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インド首相来日 経済・安保両面で連携深めよ(10月26日付・読売社説)

 南アジアの大国インドは、経済発展が著しい有力な市場というだけでなく、中国の軍事的膨張への懸念を日本と共有する国である。

 経済、安全保障の両面で、戦略的に連携を強化する必要があろう。

 インドのシン首相が来日し、菅首相との首脳会談で、「日印閣僚級経済対話」を新設することで合意した。

 日本は、同様の閣僚級協議を中国とも設けている。しかし、中国は、尖閣諸島沖の漁船衝突事件で露呈したように、共産党独裁体制の下、政治的要求を通すために経済や人的交流も絡めた圧力外交を平気で行う国である。

 一方、インドは民主主義国家であり、法の支配などの価値観も同じだ。中国のような政治的リスクはない。加えて、中国に次ぐ12億人の人口を抱え、約9%の高成長を続けている。

 インドとの経済連携の強化は、中国への経済的依存の軽減に大いに役立つだろう。

 首脳会談では、ハイテク製品の製造に不可欠なレアアース(希土類)の生産拡大に日本が協力することでも一致した。インドのレアアースの生産量は、中国に大きく引き離されてはいるが、それでも世界2位だ。

 レアアースの輸入を中国に全面的に依存する現状を是正することは、日本にとって喫緊の課題であり、インドとの協力はまさに時宜を得たものと言える。

 両首脳は、経済連携協定(EPA)についても正式合意し、早期に発効させることを約束した。

 自動車部品や鉄鋼などに課されているインドの関税は、10年以内に撤廃される。現地生産する日本企業は、日本からの部品調達コストを大きく削減できよう。

 短期出張や企業駐在員向けのビザ(査証)の手続きも簡素化される。インド市場でのビジネス拡大に役立つことは確実だろう。

 安全保障面の協力も重要だ。日本は東シナ海で、インドはインド洋で、中国の海洋進出による直接的な脅威にさらされている。

 昨年末に新設した外務、防衛両省の次官級協議を積極的に活用して、シーレーン(海上交通路)の安全確保などに関する対中戦略を協議すべきだ。

 米国に加え、南シナ海で対中摩擦の最前線に立つ東南アジア各国とも連携を図る必要がある。そのためにも、地域の大国である日本とインドは、2国間関係をいっそう深めなければならない。

2010年10月26日01時52分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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