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10月25日付 よみうり寸評

 チリに〈エスペランサ(希望)〉ちゃんあれば、奄美大島に〈漕太(そうた)〉君がいる。大災害の中で生まれた二人の赤ちゃんは人々を力づける◆名前は両親がわが子に贈る最初で最高のプレゼント。これから行く手はるけき人生をその名とともに生きて行く。何か困難に遭遇したときに、二人はきっと名前の由来と強かった両親を思ってがんばるだろう◆漕太君は記録的豪雨の奄美大島で22日午前1時35分に誕生した。母、西村しおりさんに陣痛の予兆が始まったのは前日の早朝。病院は自宅から10キロも離れている◆夫の公務員恵一さんと消防隊員が付き添って病院へ。道路は通れず、入り江の対岸へ張ったロープ伝いに恵一さんがゴムボートを()ぐ。土砂の流入したトンネルも歩いて抜けた◆こんな困難を乗り越え、元気に生まれてきた男の子。その名は無論、あのゴムボートのように、ひと漕ぎ、ひと漕ぎ、目標に向かって進めという願いを込めている◆世の人々も二人の名を困難を乗り越える不屈の象徴としてきっと忘れない。

2010年10月25日13時38分  読売新聞)
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