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【社説】

補選民主敗北 政権交代は色褪せたか

2010年10月25日

 衆院北海道5区補欠選挙で、自民党前職が民主党新人ら四候補を破った。七月の参院選に続く民主党の敗北。菅直人首相らは、政権交代に対する有権者の失望感の表れと、厳しく受け止めるべきだ。

 昨年夏の前回衆院選で有権者が選択した「政権交代」は、今も輝いているのか、それとも色褪(あ)せたのか。菅改造内閣発足後初の国政選挙は、そんなことを問い掛ける選挙でもあった。

 同選挙区は札幌のベッドタウン、農村漁村地区など多様さを併せ持つ。前回衆院選では自民党町村派の会長を務める町村信孝元官房長官(66)が、民主党の小林千代美氏に小選挙区で初めて敗北。比例代表での復活当選で議席を辛うじて確保するなど政権交代を象徴する選挙区となった。

 今回の補選は、その小林氏が陣営の違法献金事件で引責辞職したことに伴うものだ。

 比例議員を辞職して立候補した町村氏と、民主党新人の中前茂之氏(38)との事実上の一騎打ちとなり、民主党は岡田克也幹事長や閣僚、自民党は谷垣禎一総裁や石原伸晃幹事長らが選挙区入りして総力戦を展開した。

 補選の理由が「政治とカネ」であり、民主党の苦戦は予想できたが、「古い政治」の象徴である派閥会長の当選を再び許し、世代交代の訴えも有権者に届かなかったのは、民主党には痛手だろう。

 円高、株安などの経済問題、年金、医療、介護の社会保障、台頭する中国への対応、米軍普天間飛行場の返還問題など、菅内閣の内政・外交課題は山積している。

 それらを与党が参院で過半数に達しない「ねじれ国会」で処理できるのか。今回の民主党敗北は、有権者が菅内閣の実行力に不安を抱き始めた証左ではないのか。

 首相は、資金管理団体の政治資金規正法違反事件で強制起訴が決まった小沢一郎元代表に対し、自らの指導力で国会での説明を促すことはなかった。

 民主党敗北の場合に責任論が及ぶのを懸念して首相が選挙区入りしなかった「及び腰」にも、有権者は政権の自信のなさを感じ取ったに違いない。

 自民党など野党は今回の民主党敗北を「直近の民意」ととらえ、国会で攻勢を強めるだろう。

 菅内閣はより厳しい状況に置かれるが、民主党に政権を託した国民の期待に応えるには補選の結果を謙虚に受け止め、実績を一つ一つ積み重ねて政権交代の輝きを取り戻すしかあるまい。

 

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