HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37447 Content-Type: text/html ETag: "15cebf-15d4-cfc7edc0" Expires: Thu, 21 Oct 2010 23:21:19 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 21 Oct 2010 23:21:19 GMT Connection: close 羽田国際化 成田と競い拠点空港を目指せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

羽田国際化 成田と競い拠点空港を目指せ(10月22日付・読売社説)

 羽田空港に完成した4本目の滑走路と新たな国際線ターミナルが、21日開業した。31日からは、国際定期便が32年ぶりに復活する。

 今回の拡張で発着枠が現在の1・5倍の年45万回まで増え、9万回が国際線に割り振られる。来春にかけて欧米、東南アジアなど17都市に路線網が拡大する。

 都心からの好アクセスと「24時間化」が、羽田の最大の武器だ。残業した後に深夜便でそのまま海外出張したり、職場から空港に直行し、週末を利用して東南アジアに観光旅行に出かけたりする光景が見られるようになるだろう。

 乗り継ぎが不便な成田を敬遠していた地方客が、地元空港から羽田を経由して海外に向かうことも可能になる。

 地の利を最大限に生かしてヒトやモノの動きを取り込めれば、日本経済の新たな活性化策となろう。就航する都市数で大きくリードされた韓国・仁川空港などに対抗し、アジアと世界を結ぶハブ空港を目指す一歩としたい。

 1978年に成田空港が開港してから「国際線は成田、国内線は羽田」という取り決めが続いてきた。だが、経済のグローバル化で航空需要が拡大していることを考えれば、羽田と成田の役割分担を抜本的に見直すことが重要だ。

 羽田の国際化に刺激されるように、成田も年間の発着枠を4年後に22万回から30万回に拡大することで地元自治体が合意した。

 だが、都心から遠く、騒音問題から深夜早朝に離着陸できない制約などがあり、成田単独では拠点空港の要請を果たしきれない。

 例えば、ビジネス利用やアジアなど近距離便を羽田、観光中心の長距離便や格安航空を成田に集約するなど、両空港の機能を生かした運営を行ってはどうか。

 羽田から成田に行く場合は1時間半かかる。両空港のすみ分け政策は、長時間移動などの不便を利用者に強いてきた。航空行政に、鉄道網などと調整し、空港をどう配置するかという全体構想が欠けていたからだ。

 羽田の国際化とともに、8都市にとどまっている成田の国内線を増やすことが不可欠だ。将来的には、両空港間の連絡時間を短縮する工夫も求められよう。

 羽田・成田が名実共にアジアの拠点空港となるには、世界の航空会社や利用者に低料金や利便性、快適さを提供できなければならない。各国航空会社が不満を抱く高い着陸料など、空港使用料の引き下げも急務だろう。

2010年10月22日01時13分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
現在位置は
です