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10月21日付 よみうり寸評

 〈雨ぞ降る〉――1930年代の米映画のタイトル。当時盛んに作られた災害スペクタクルの一つで、インドの大洪水を描いた作品。日本では戦後公開された◆このタイトル、強調の助詞「ぞ」の(ほか)は何の飾りもないが、それがかえって「集中豪雨」などの表現以上に「これぞ豪雨」のスケールを表し、ひたすら果てしなく降る雨の恐ろしさを思わせる◆18日の降り始めから21日朝までに900ミリを超えた鹿児島県奄美大島の記録的な集中豪雨の映像を見てこの言葉を思い浮かべた。1時間雨量は130ミリを超えるすごさもあった◆お年寄り2人が死亡、1人行方不明。多数の児童が学校から帰れなかった。道路は寸断され、車が埋まっている。電話は不通、航空便は欠航、ヘリも飛べない◆集落全体が池のようになり、屋根で救いを待つ人、土砂崩れで家屋倒壊、孤立の地区が多く、連絡がつかなければ被害の状況もつかめない。救援もままならない◆秋雨前線が停滞、台風の影響も加わり、奄美の状況はまさに〈雨ぞ降る〉。

2010年10月21日13時59分  読売新聞)
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