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中国次期後継 習近平氏が引き継ぐ重い課題(10月20日付・読売社説)

 中国が経済的にも軍事的にも世界の大国となった中での、事実上の次期最高指導者の決定だ。

 中国共産党の第17期中央委員会第5回総会で、国家副主席の習近平氏が党中央軍事委員会副主席に選出された。

 習氏は2007年の党大会で上海市党委書記から党政治局常務委員になり、翌年には国家副主席に選ばれた。そして今回、軍事委副主席の地位も手中にした。

 これで党・国家・軍の3権のナンバー2の地位を得た習氏が、12年秋の次期党大会で引退が予定される胡錦濤総書記(国家主席、軍事委主席)に代わり、党最高指導者となるのは確実とみられる。

 中国に求められているのは、民主化と国際協調だ。世界の脅威とならないよう、懸念を払拭(ふっしょく)する努力も必要だ。習氏には「責任ある大国」の指導者にふさわしい振る舞いが期待される。

 習氏は胡総書記より10歳若い57歳で革命第5世代と呼ばれる。元副首相を父に持つ党高級幹部の子弟だ。抜てきの背景には、上海閥を率いる江沢民前総書記の強い後押しがあったと言われている。

 胡総書記は側近の李克強・党政治局常務委員を後継に想定していたが、次期政権は習総書記―李首相体制になると見られている。

 中国は事実上の共産党一党支配の国だ。胡政権は経済発展を追求する一方で、民主化をかたくなに拒否し、強権支配に依拠して体制を維持している。

 習氏が次期政権を担った場合の最大の任務も、党の支配体制の継続にある。権力を習氏に集中させることで党指導部の安定と団結を図ろうとしているのだろう。

 中国社会は貧富の格差、汚職の横行、開発に伴う土地使用権の収奪や環境汚染など、国民の不満はかつてなく高まっている。

 党中央委総会で討議された「第12次5か年計画」も、こうした社会のひずみの解決に重点が置かれたのは当然である。

 胡政権が掲げる、弱者に配慮した「調和社会」の実現は、まだ見えない。課題はすべて次期政権に引き継がれる。対応を誤れば政権の危機ともなりかねない。

 党中央委総会は、中国が引き続き「平和的発展の道」を歩むと宣言した。だが、南シナ海への海洋進出や尖閣事件を通じて示した強圧姿勢に、世界は改めて中国への警戒感を強めている。

 習氏を支える江前総書記は強い反日姿勢で知られる。中国の対外政策がどう変化するか、日本としても注視していく必要がある。

2010年10月20日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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