HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 20 Oct 2010 01:13:24 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:七代目の三遊亭円生襲名に名乗りを上げている三遊亭円丈さんは…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年10月20日

 七代目の三遊亭円生襲名に名乗りを上げている三遊亭円丈さんは若いころ、師匠の六代目円生に聞いたことがある。初めて演じるネタおろしは受けるのに、二度目にやる時はあまり受けないのはどうしてなんでしょう?▼「芸というのは砂の山。いつも少しずつ崩れている。私の芸はここまで上がったと思っても、なにもしないとずるずると落ちてくる」と師匠。最初は必死でも、二回目は安心して少し手を抜くので受けないのも当然というのだ(『ろんだいえん』)▼車の中で一人になると、師匠はすぐにブツブツと噺(はなし)の稽古(けいこ)をしていた、と円丈さんは述懐する。「名人」と称されたのは、陰の努力を惜しまなかったからこそだ。「芸は砂の山」。芸を置き換えれば、あらゆることに通じる至言である▼民主党参議院議員の谷亮子さんが、柔道の引退を表明した。議員活動の合間の片手間の練習では、砂が崩れるスピードに追いつけないと自覚したからだろう▼ロンドン五輪に向け、柔道と政治活動の二足のわらじを履くと宣言したものの現実は厳しかった。輝かしい実績に彩られた競技者人生についに終止符を打った▼「仕事、子育てをしながらスポーツできる環境を整えたい」と引退会見で語ったが、政治家の仕事はスポーツの分野に限らない。これからは、「政策」という「砂の山」と格闘する日々が待ち構えている。

 

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