
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37456 Content-Type: text/html ETag: "15ceb9-15bc-b35a1000" Expires: Tue, 19 Oct 2010 02:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 19 Oct 2010 02:21:42 GMT Connection: close
![]() クマ出没 森の荒廃が招いた被害の多発(10月19日付・読売社説)日本各地で連日、クマが出た、というニュースが報じられている。 しかも今秋は、住民が暮らす人里にまで出没する例が目立つ。 福井県では、病院併設の介護施設にツキノワグマが玄関から侵入して、看護師を襲った。 岐阜県では、建設会社事務所の戸に体当たりして、強引に入ってきた。山形県では中学校、新潟県では小学校に現れた。 環境省によると、4〜9月のクマの目撃件数は7175件で、昨年同期より7割増えた。人が襲われる被害も、8月末までで54件と昨年1年間の52件を上回る。 出没は、クマが冬眠に入る11月半ばまで続くとみられている。なおも十分な警戒が必要だ。 人里への出没では、事前に付近でクマの姿が目撃されていることが多い。各自治体は、こうした情報を積極的に収集し、地域住民に注意喚起してほしい。 同時に、人的な被害が出ないよう、速やかな駆除、捕獲の体制も改めて点検しておきたい。 もし、クマに遭遇した時は、落ち着いて、ゆっくり、そこを離れることが大切、と環境省は呼びかけている。叫んだり、走って逃げたりしてはいけない。クマを刺激して、かえって危険だ。 これほど出没が相次いでいる原因として指摘されているのが、この時期のクマの主食とも言えるドングリ類の不作だ。 ドングリはナラやシイ、カシなどの実だが、これらが広範囲に立ち枯れ死する「ナラ枯れ」が全国に拡大しつつある。 小さな甲虫が運ぶ病原菌で起こる樹木の病気だ。特に今年は猛暑で樹木が弱っており、林野庁が被害の拡大を懸念している。 初期のうちに殺菌などを徹底すれば拡大を防げる。多様な樹種からなる日本の森林と、クマなどの野生生物の生存環境を維持するために、政府は、拡大の防止に一層力を入れてもらいたい。 もう一つ大切なのが「里山」の保全だ。里山は、人の生活圏のそばにある森林で、日本では古くから、薪や肥料用の落ち葉の採取などに利用されてきた。 山の森とは異なり、以前は日常的に人の手が入っていた。野生生物は、里山から先には出て来ないことが多かった。 今、里山は放置され、荒廃している。野生生物が暮らす森と、人里とを隔てる「緩衝帯」の役割を果たせなくなった。クマの被害を減らすには、こうした問題も踏まえた検討が大切だ。 (2010年10月19日01時30分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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