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10月18日付 編集手帳

 自動車会社で社長秘書をやるのかも…集団就職列車で心躍らせた少女の勤め先は、個人経営の小さな修理工場だった。1958年の東京を描いた映画「ALWAYS 三丁目の夕日」は、薄給にめげず働く地方出身者たちが印象的だ◆日本の高度成長を支えた「金の卵」と状況は違うが、中国経済の急成長にも地方出身の労働者が貢献している。安い人件費などが国際競争で有利なのだ◆経済学では、やがて「ルイスの転換点」が来て、低賃金の利点は薄れるとの説がある。人手不足で賃金が急上昇する時が、農業国から工業国への変わり目で、成長は鈍っても国民の収入が増えて豊かになる――と。日本の転換点は東京五輪があった60年代前半で、70年の大阪万博を経て高度成長を終えた◆五輪や万博など時代背景の似る中国の場合はどうか。賃上げストが増え、高給を求めて全従業員の1割が毎月辞めていく日系メーカーもあるという。転換点は近いのかもしれない◆自国のためなら為替操作や資源の売り惜しみも辞さぬのでは、信頼される経済大国への道は遠い。中国に欲しいのは独善からの「転換点」である。

2010年10月18日01時28分  読売新聞)
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