HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Mon, 18 Oct 2010 03:11:24 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:お寺が戒名や法号を決めるのに便利なパソコンのソフトがある。…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年10月18日

 お寺が戒名や法号を決めるのに便利なパソコンのソフトがある。二字の戒名は二万四千語、院号付きは千二百語選定できる。経典や宗祖の言葉なども多く収録し、遺族に戒名の意味を説く時に活用できるという触れ込みだ▼名前、仕事、人柄から戒名を選べるガイドブックもあり、重宝しているお寺もあるようだ。使っているのは一部かもしれないが、インスタント戒名に高い金を払い、ありがたがる遺族の姿を思うと、あまりいい感じはしない▼大手スーパーのイオンが「安心の明瞭(めいりょう)会計」をうたい文句に葬儀事業を始め、お布施や戒名の値段をホームページに明示すると、仏教界から猛反発が起きたというニュースは記憶に新しい▼「仏教の精神を踏みにじった」という理由のようだが、お寺からお布施の「相場」を言われたという人は多い。曖昧(あいまい)にしておきたかった相場をおおっぴらにされた困惑があるのかもしれない▼戒名は仏典に根拠はない日本独特の制度。現実の社会にある格差や差別を「あの世」にも持ち込んでいるという批判も根強い。宗教学者の島田裕巳さんは、自著『戒名は、自分で決める』で戒名問題の解決が「葬式仏教」から脱却する近道だと訴えている▼僧侶を呼ばない「直葬」も増えているという。悩める人をいかに支えるのか。宗教としてのあり方を根本から見直さなければお寺の未来は暗い。

 

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