
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37260 Content-Type: text/html ETag: "396a64-1611-6249900" Expires: Fri, 15 Oct 2010 20:21:44 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 15 Oct 2010 20:21:44 GMT Connection: close
![]() 核燃料サイクル これ以上の遅れは許されない(10月16日付・読売社説)日本がエネルギー政策の柱と位置づける「核燃料サイクル」が、困難に直面している。 原子力発電所の使用済み核燃料から、燃料として使えるプルトニウムやウランを回収する再処理工場の完工が、2年延期された。延期はこれで18回目である。 この工場は、電力会社などが出資する日本原燃が青森県六ヶ所村で1993年から建設を進めてきた。当初は97年に完工予定だったが、操業も15年遅れとなる。 建設には、電気料金から2兆2000億円もの巨費が投じられている。国策を担っているとの自覚が足りないのではないか。 これまでも、原燃には出向者が多いことなどが組織上の弱点と指摘されてきた。過去の反省も踏まえ、完工へ向けて一丸とならねばならない。 再処理工場のほとんどの設備はすでに完成している。だが、最終段階の試験運転でつまずいた。 処理の過程で出た放射性廃液をガラスで固める工程で問題が起き改修工事が必要という。 だが、日本と同様に核燃料サイクルを進めるフランスでは、すでに解決済みの技術である。核燃料サイクルの要となる施設での再三のトラブルは、日本の原子力技術の国際評価を 国内の原発54基からは使用済み核燃料が年に1000トン出る。ほとんど再処理工場に運ばれるはずだったが滞っている。3、4年後には使用済み核燃料の貯蔵プールが満杯になり、運転に支障が生じる原発が出る恐れもある。これ以上の遅れがあってはならない。 核燃料サイクルのもう一つの要である高速増殖炉の開発も、順調に進んでいるとは言えない。 原型炉「もんじゅ」が今年、14年ぶりに運転を再開したばかりだが、8月末に原子炉容器内で、クレーンでつり上げていた約3トンの重要装備を落とした。 点検で原子炉を止めていたため直ちに安全性への影響はない。しかし、炉内に損傷はないか、確認は遅れている。 開発に取り組む日本原子力研究開発機構では、これ以外にも警報装置の設置不良など、防げるはずのトラブルが後を絶たない。再発防止策の確立が求められる。 核燃料サイクルでは、回収したプルトニウムを燃料に使う発電が昨秋、九州電力で始まり、他電力にも広がっている。 一歩前進だが、核燃料サイクルの完成図にはほど遠い。局面打開に緊張感を持ってもらいたい。 (2010年10月16日01時07分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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