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10月13日付 よみうり寸評

 「この物語は悲劇で始まったが、間もなくハッピーエンドで終わる」とチリのピニェラ大統領◆チリのサンホセ鉱山落盤事故で地下坑道に閉じこめられた作業員33人の救出作業の物語だ。この2か月余、世界の耳目を集めたニュースがようやく大団円へ◆救出用カプセルは〈フェニックス(不死鳥)〉。地上で待ち受ける家族たちのテント村は〈エスペランサ(希望)〉で事故後に生まれた作業員の女児の名でもある。ハッピーエンドに期待した命名。カプセルに塗られた白青赤の3色はチリの国旗のイメージだ◆救出用立て坑は地下へ620メートルの長さ。東京・墨田のスカイツリーの完成時の高さ634メートルを想像すればそれに近い◆ジュール・ヴェルヌの〈地底旅行〉はアイスランドの火山の噴火口から地底の道をたどる19世紀の空想冒険科学小説。主人公の若者は暗黒の危険と孤独の試練を経て一人前の大人になり帰還する◆地底は死の世界、冥界(めいかい)の象徴でもある。落盤事故の作業員33人の恐怖、試練は小説の比ではない。

2010年10月13日13時55分  読売新聞)
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