
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37649 Content-Type: text/html ETag: "15ceab-15ce-6f1bfa80" Expires: Sat, 09 Oct 2010 22:21:39 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 09 Oct 2010 22:21:39 GMT Connection: close
![]() 高橋さん解放 中国は事態の全容を説明せよ(10月10日付・読売社説)中国当局に拘束された建設会社「フジタ」の社員4人のうち、1人残されていた高橋定さんが9日、解放された。 まずは、無事の解放を喜びたい。 しかし、20日間に及ぶ長期拘束の末の解放はあまりに遅く、人権軽視も甚だしい。この間の経緯や拘束の理由について、中国当局は詳しく説明する責任がある。 4人は先月20日、河北省石家荘市内にある遺棄化学兵器の処理事業の建設予定地を視察中、「軍事目標」を違法に撮影したとして国家安全局に拘束された。 市内のホテルで監視下に置かれたまま取り調べを受けていたが、高橋さんを除く3人は30日、「釈放」された。 3人は「軍事管理区域と気づかなかった。故意ではない」と中国当局に説明し、その上で解放されている。悪質性がなかったことは、中国側も当初から承知のはずである。ならば高橋さんだけ拘束が解けなかった理由は何なのか。 中国側は関係を否定するが、尖閣諸島沖で起きた中国漁船の衝突事件で、中国人船長が逮捕、拘置された問題が影響していることは間違いない。 フジタ社員4人が拘束されたのは、中国人船長の10日間の拘置延長が決まった翌日である。最初の拘置だけで釈放されることを期待していた中国政府が、国内世論が政府批判に向かわぬよう報復措置に出たと見ることもできる。 一方、3人の解放は、那覇地検が船長を処分保留で釈放した5日後だった。以後中国は、レアアース(希土類)の対日輸出規制も一部緩和している。中国脅威論が世界に広がる前に、軟化姿勢を示そうという戦略だったのだろう。 その後、日本国内では船長の釈放をめぐって政府の対応を批判する声が強まった。衝突ビデオの公開や、フジタ社員拘束問題などでの中国側への強い働き掛けを求める機運も高まった。 これらの問題に日本政府がどう対処するか、中国政府は高橋さんを“圧力カード”に、監視の目を光らせていたのではないか。 今回、日本企業社員が長期拘束された問題は、当面あらゆる分野で「中国リスク」が継続する可能性を示したと言えるだろう。 中国進出企業や取引企業の社員は、現地での行動に十分注意すべきだ。文化交流や旅行などで中国に行った場合も同様だ。 国家の思惑で人権が制約される。その可能性が残る国であることを肝に銘じる必要があろう。 (2010年10月10日01時15分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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