
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37552 Content-Type: text/html ETag: "addbe-15f3-6546dac0" Expires: Wed, 06 Oct 2010 21:21:38 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 06 Oct 2010 21:21:38 GMT Connection: close
![]() ノーベル化学賞 受賞の喜びを次につなげたい(10月7日付・読売社説)景気低迷や外交問題で悩む日本を、大いに元気づける朗報だ。 今年のノーベル化学賞が、北海道大名誉教授の鈴木章博士、米パデュー大特別教授の根岸英一博士と、米国人研究者の3人に贈られることが決まった。 日本人のノーベル賞受賞者は18人を数え、化学賞では、7人となる。アジア地域では群を抜く。 受賞の理由は、医薬品や液晶物質などを効率良く合成するための化学反応法の開発だ。 炭素原子が鎖のように複雑につながった有機化合物の合成は、極めて難しかった。根岸、鈴木両博士はこれを容易にする新手法を見つけ出した。 すでに、高血圧治療薬、抗がん剤、発光する有機化合物の製造など、多くの産業分野で欠かせない手法となっている。 化学は、物質の合成や分析などの基礎となるもので、日本の素材産業を支えてきた。今回、その水準の高さを改めて示した。両博士の受賞を大いに喜びたい。 ただ、こうした日本の実力をいつまで維持できるか、不安を感じさせる兆候が表れている。 その一つが、若手研究者の「内向き志向」だ。ほとんど海外に行かず、国内だけで研究の道を歩む例が増えている。 研究の中心地とも言える米国で修業する若手は少ない。米国の大学で博士号を得る外国人学生の出身国の割合は、中国の約30%、韓国の約10%に対して、日本は約2%にとどまる。 これでは、激烈な世界の研究競争に取り残されないか。 受賞が決まった鈴木博士は北海道大卒業後、米国の著名な化学者の下で研究を始めた。根岸博士も東京大を出た後、米国で修業して今も米国にとどまっている。 海外での 日本の大学の国際評価が下がり始めているのも気がかりだ。英国の教育専門誌が先月、教育、研究などの実績をもとに発表した今年の「世界大学ランキング」はその警鐘である。 日本勢は、最高の東京大が26位で、昨年までのアジア首位の座を21位の香港大に奪われた。上位200位に入る日本の大学の数も昨年の11校から5校に減った。 厳しい財政状況の下、国の科学技術予算も減っている。対照的に欧米諸国は、科学技術への公的投資を増している。 政府や日本の研究機関は、改めて危機感を持たねばなるまい。 (2010年10月7日01時37分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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