HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37355 Content-Type: text/html ETag: "ad659-15bc-60d3b940" Expires: Tue, 05 Oct 2010 21:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 05 Oct 2010 21:21:45 GMT Connection: close ゼロ金利復活 政府も早期の景気対策で続け : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

ゼロ金利復活 政府も早期の景気対策で続け(10月6日付・読売社説)

 日銀が、実質的なゼロ金利政策の復活と、量的金融緩和策の強化に踏み切った。

 円高を阻止し、これ以上の景気悪化を防ぐための適切な政策と言えよう。

 とはいえ、円高やデフレの圧力は依然強い。「二番底」の回避に向け、政府と日銀がしっかりスクラムを組む必要がある。

 政府は日銀に続き、追加経済対策を充実した内容に仕上げ、実行に必要な補正予算の早期成立を図らねばならない。

 日銀は、年0・1%の政策金利を0〜0・1%へと引き下げた。ゼロ金利の実施は約4年ぶりで、物価上昇率が安定してプラス1%程度になるまで、この金利を続ける方針も示した。

 デフレ解消に最大の力点を置いた対応は、市場の信頼確保に役立つのではないか。

 量的緩和策については、日銀が設ける基金で国債などを買い、市場に資金供給する仕組みを初めて導入した。今後1年で、長期国債などを3・5兆円、社債など民間債券を含めて計5兆円を買い入れ、必要なら追加も検討する。

 日銀は現在、長期国債を月1・8兆円ずつ買っているが、保有残高が増え、内部ルールで定めた上限まであと約20兆円しかない。そこで、基金での長期国債買い入れをルールの例外とし、上限に関係なく買えるようにした。

 日銀の白川方明総裁が記者会見で「臨時・異例の措置だ」と強調したように、今回は新しい工夫を多く盛り込んだ点が目立つ。

 追加緩和の発表後、東京市場の株価が急上昇し、為替相場も一時、円安に振れた。市場も意外性のある大胆な政策だったと、とりあえず評価したようだ。

 ただし日銀は、「なすべき政策は出しつくした」などと安心してはならない。5兆円という追加買い入れの規模はさほど大きくはない。市場安定や景気下支えの効果が出ているか注視し、必要なら、すぐさま上積みを図るべきだ。

 12月の企業短期経済観測調査(短観)で、大企業の景況感は7四半期ぶりの悪化が見込まれる。エコカー補助金の打ち切りや猛暑による消費拡大の反動減など、景気下振れの懸念材料は多い。

 米国など海外経済の減速にも注意が必要だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が来月に追加金融緩和に踏み切るという観測から、円高圧力が強まる可能性もある。

 政府・日銀は連携し、円高と景気悪化の阻止に全力であたってもらいたい。

2010年10月6日01時44分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
現在位置は
です